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個性を表す通変星

その人が生まれ持った命を陰陽五行(10干12支)で並べられた記号に表し
それを判りやすく星に置き換えたもの、これを通変星と呼んでいます。
10干とは、甲乙丙丁戊己庚辛壬癸
12干とは、子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥

生まれた年、月、日、時によって、上記の10干12支がそれぞれ決まっています。 それによって、どのような性質や個性、宿命がもたらされているのかを知る手だてとして、生まれた日の陰陽五行で通変星が決まってきます。

通変星には次の10個があります。

比肩、劫財、食神、傷官、偏財、正財、偏官、正官、偏印、印綬

一番重要視されているのは、第一に生まれた日の干支、次に生まれ月の12支が生まれ日の陰陽五行とどのような関係性にあるのかが大切な要素となります。 生まれ月は月柱と呼ばれていて、人生上の一番大切な時期、社会に出てどんどん成長し自分の城と言えるものを持つ為の、最もエネルギーに満ちあふれた時期を表します。 しばしば、仕事や社会生活での適性、手法などを見る時にも大切な部分として扱いますが、その中でも12支から導かれた通変星は、第二の個性とも言われ大切にされているもので、月支元命と呼ばれています。

個人的な感想で言えば、この月支元命はいざという時、追いつめられた時、何かを決断して行動すべき時、その時の手法(価値観)が顕著に表れる気がしています。これに、性格(十二運)がミックスされて、言葉や行動に表れるのだと思います。

ほとんどの四柱推命は、この位置にどの通変星があり、どういう性質を持っているのか、非常に重要視します。しかしながら、この星のみでその人の人生や運勢の流れを決める事はありません。 単純に一つの通変星で語りきれない暗示や、複数の星の影響から読み込んで行かなければならない命もたくさんあります。ここが伊勢流独自の哲学だと思いますし、非常に難しいところでもありますが、その人の運気を押し上げたり時の流れを作る星が、どれが一番強いのか、その人に一番影響を与えるものを探っていく事が最も大切な鑑定の核となります。判りやすい命式の人、複雑に絡み合っている命式の人。など、人生も人の数だけ多様だという事が判ります。

自我の星

−比肩(ひけん)
比肩とは自分自身を表す星です。
生まれた日の陰陽五行によって表面に現れる性質に違いが出てきますが、共通して言える事は、独立独歩でプロ意識が強く、自分で考え判断し行動に移して行く バイタリティを持ち合わせている事です。頭の切れが良く決断力に優れ、プライドも高く、はっきりと自己主張をしながら公明正大に進んで行く性質を持ってい ます。良くも悪くも言動の結果が自分に帰って来る為、その時の運気の作用もはっきりと出やすい特性があります。

−劫財(ごうざい)
比肩が表面に出る自我の星であれば、劫財は表面に出にくい自我を表します。
同じ自我の星でも、比肩の様に有言実行や公明正大さという面が現れにくいのですが、内面の自我は比肩よりも強く野心があります。目的達成の為に、それとな く自己主張をして周囲を動かし、気がつくと達成していたと言う様に、潜在的に操る能力を持っています。それだけに時代や人、物事を見抜く目があり対処の方 法も心得ていますから、社会においては、非常に人当たりが良く、出来た人という印象と人気がありますが、プライベートでは逆の側面が出やすくなります。

比肩も劫財も自我の星ですが、この2つの星は財を見ると野心を掻立てられて、俄然張り切ってそれをものにしようとする意欲が出てきます。しかし、自我の星ですから、自己中心に成り過ぎて、返って得た物を手放す結果になる事もあります。

この星を持っている人は、偏官/正官という星が救いとなります。官は上官を表す星でもあるので、上からの抑止力が働く事で、自分をコントロールして財も得られる様になります。 財は、お金、家庭、男性であれば妻・女性、心の財産と言えるものを指します。

表現の星

食神(しょくじん)
食神とは衣食住を司る星とも言われる程、飲食を好み表現力も豊かな性質を持っています。見かけもややふっくらとした印象があり、楽天的で心に余裕があります。美的感覚に優れ、趣味や道楽的な事に縁を持ち、豊かな表現力や才能を発揮出来る様になれば、それによって生活して行く事もできる恵まれた意味を持ちます。社会では、そのゆとりのある表現力やセンス、可愛げのある態度から、No.2の星とも言われ引き立てられたりする事もあります。 その分、自分自身で貪欲に物事を成し遂げる力や、根性という面には弱さがあり、人生に対する責任感の弱さや依頼心の強さ等、楽天的気質が弱点となる場合もあります。

傷官(しょうかん)
傷官は同じ表現の星でも、意味合いが違ってきます。食神は楽天的に感性を活かして表現する事ができますが、傷官はもっと繊細でデリケートな感性を持っています。鋭い頭脳と細やかで清潔な神経から表現されるものは、学問や芸術面、技術面において独創的でキラリと光る成果となって実を結ぶ事ができます。その豊かで傷つきやすい感性は、実社会においては正義感となって表現される事にも繋り、プライドも高く、内面の感情を隠す事無く全て吐き出してしまう事もあり、その事で孤立したり心にもなく傷つけてしまう一面もあります。この星は人に迎合せずに、その感性とエネルギーを、とことんまで自分を磨く事に注力する事で、芸術的分野や技術分野など、専門性のある分野で活躍が期待で来ます。

食神も傷官も、女性にとっては子供を意味します。 また食神は相続や引き立てを意味する面がありますが、傷官はその逆で非相続や目上/男性などとの関係に苦心が見られる傾向を秘めています。 共に表現の星ながら、その生み出すもの、作り出す物には大きな差があります。 しかしこの星は、共に財産を生み出してくれる元になる星でもあり、それぞれの豊かな表現力や感性をどの分野で活かして行くのかが、大切な要素と言えます。

財の星

偏財(へんざい)
偏財は、流通の財とも呼ばれ、商業や金融等のお金を運用したり流しながら得て行く財を現します。それだけに活発で派手、大胆で太っ腹的な印象を持ちます。流通させる事で得られる財も大きな可能性を秘めています。この星を持つ人は、趣味や話題も豊富で世話好きな気質を含んでいるため、行動的でサービス精神も旺盛、お金も気前良く使い、出入りも多く、いつも周囲には賑やかな雰囲気を醸し出す抜群の社交性があります。忙しく動き回り、仕事も交際も派手。魅力的な饒舌家と言えますが、それが過ぎると、嘘も方便とばかりな言動が見え隠れする様になり、それによって信用を無くしかねない事態に発展する側面も持ち合わせています。

正財(せいざい)
偏財が流通の財なら、正財は労働した結果の対価、お給料などの意味があります。したがって偏財の様な社交性や派手さは陰を潜め、真面目にコツコツと財を貯める性質が表れる様になります。この星を持つ人は、品性正しく真面目であり、派手さはない変わりに、黙っていても醸し出される上品さと独特の華やかさを身にまとっています。実利重視でバランスを重んじ、安定を求めます。それによって得られる信用や名誉によって確実に正当な財を得ながら、目的を達成していく努力家です。それだけに実直さが過ぎると、お財布の紐も固くなり過ぎてしまったり、人や物事の裏事情や側面に対する理解度に乏しく、融通性のない一面となって、人間的な魅力を弱めてしまう事にもなります。

偏財は父親を現す星でもあり、特に男性から見て妻や恋人など女性を現す星でもあります。 この2つの星は、正財は妻、偏財は恋人などの異性の暗示が強い為、お金に対しても交際に対しても上記の様な個性が現れます。この星は財を生み出する食神/傷官と、強い財を支える応援団が必要になります。エネルギーの強弱により大きな差が出てきます。

社会の星

偏官(へんかん)
偏官は、自己に対して発生する様々な壁や試練などに直面しながら、それを突破し克服していくだけのパワーがあります。それだけに、それを養うだけのテーマや試練と言うものが必要であり、その事によって自分を抑える能力も、壁を乗り越えるだけの力量も備わる様になります。この星を持つ人は、少々の事では動じない聡明さと、初志貫徹するだけの強さや義侠心を持ち合わせています。意思も強く勇敢さと粘り強さ、政治力をバネに精力的に社会と関わっていく人情家でもありますが、内面では物事をくよくよと考えてしまう性質もあります。一方で権力や主導権という面において、相当なこだわりを持っています。自分を強く押し出していける時は、何が何でも突破する破壊力もある反面、自我をセーブして行くべき時は、非常に穏やかな人物として参謀的な役割を果たす等の両面性があります。

正官(せいかん)
偏官が試練を克服するパワーの星ならば、正官は自分を律して行く星です。正しい官のイメージ通り、正義感と道徳心、品行方正を現し、偏官がブルーカラー的であれば、正官はホワイトカラー的な生き方を現します。この星を持つ人はモラルや常識を重んじ、実直に厳密に物事を遂行して行く性質があり、それによって信用を得られ、引き立てや出世なども暗示します。どんな場面でも醜態をさらす様な事は滅多にない程、抑制の利いた紳士淑女的な凛とした品性があります。誠実さや真面目さで地道な努力によって、正攻法的な人生を歩んで行く傾向が強くピュアな精神を持ち合わせています。それだけに、清濁合わせ飲む様な包容力には弱さがあり、世間体重視の立場や生真面目さから、融通性を欠く場面もあります。

官は出世、権利など社会的な上昇志向を現す星ですが、女性からは夫や男性を意味し、男性からは子供を意味する星でもあります。 共に社会での立身性を帯びた星ですが、偏官は政治家に多く、正官は官僚や会社のトップなどに多い星とも言われています。この星は活かされている事が大切になってきます。

才能の星

偏印(へんいん)
偏印は、タレントの星とも言われ、隠された才能の意味があります。才能開花する事ができるかどうかで大きく左右されます。自由と都会的な生活が主体にあり、そういう環境に身を置く事でアイデアやインスピレーション、最先端の流行やデザイン能力など、常識的なものよりも異端的なもの、芸術や芸能性が発揮され、感性が磨かれて行く様になります。この星を持つ人は、好奇心旺盛で機敏に行動し、度量も広く少しの事では動じないタフな精神力を持っています。常に興味のある事を探し、それに突進していく行動力を持ち合わせているのですが、自分に向いているかどうか、結論を早く求めしまい、自分の満足度によって、せっかくの努力を継続する事無く終えてしまう傾向もあります。その結果、向かない環境が続くと、流動的で落ち着きの無い人生になる性質を秘めています。自分の好きな事を見つけて行けるかどうかが、大切なポイントとなります。

印綬(いんじゅ)
偏印が隠された才能であれば、印綬はアカデミックな才能を意味します。学問や専門性などの分野から手工芸的な分野まで幅広い適性を持ち、実利的で具体的に物事のツボを抑え、時代の流れをキャッチして行く能力があります。この星を持つ人は、一つの分野に拘ってとことん追求し、専門性を磨いて行く性質があり、同じ事をしてもどこかにプラスアルファのものが加わり、うまく発揮されれば、それによって名誉などにも縁があります。人に対しては、穏やかで誰に対してもソフトに対応し、温厚で慈愛の精神は豊かですが、自分の大切な人に対する深い情である為、好き嫌いもはっきりとして利己的な一面も持ち合わせています。一方で繊細な一面を持ち、簡単には本心を表さない事もあり、それ故にストレスや傷つく事に人一倍敏感にもなります。心のバランスが崩れると、精神的にダメージを受けやすくなる一面も秘めています。

偏印も印綬も母を意味します。同じ母でも偏印は継母、印綬は実母の意味があり、偏印は子供や生活に苦心を抱える星とも言われ、古くは凶星と位置づけられていましたが、現代にあっては生活も生き方も多様化していますので、才能を発現する努力とタレント性を活かして行く事が大切だと思います。